戦の後 

今日1週間ぶりに立木さんに主人と登りました。
梅雨の晴れ間だけれど、爽やかな風が吹いて、余り汗もかかないで気持ち良く登る事ができました。
帰り道に階段を下りていると、山の奥から綺麗な鳥の声が聞こえてきました。
毎年聞いていながら、どういう名前の鳥か知らないままで来ているのですが。
澄んだ高い声で、天国の鳥の声とはこんな声ではなかろうかと思うような美しい声でした。
綺麗な声の話から、顔も綺麗だけれど、声が事の他美しかった女優さん 原節子に話題は飛び、映画「青い山脈」の話になりました。
青い山脈に登場する高校生は、旧制高校の生徒としては最期の生徒だったはずだという話から、主人の思い出話になりました。

主人が中学4年になるはずの年から、学制が変わり、新制高校1年ということになったそうです。
旧制中学4年とか5年とかで、特攻隊などに志願して行っていた生徒で帰郷後、新制高校の2年とか3年に編入されて来た人が何人か有ったそうです。

その生徒達の中のちょっとぐれた生徒が、学校で授業をサボって煙草をすったりしていたのを、先生に注意されている処を、たまたま見かけたことがあるそうです。
その生徒達は反対に先生に対して息巻いて、
「お前らが行けと言うから、戦争に行ったんだ。先輩なんかヒロポン打たれて、特攻に出された。このケツを見ろ、軍隊で気合を入れてやると言って殴られたんだ。」と戦後3年近く経って未だに青黒い侭の、殴られたては痛々しく腫れていたであろう、お尻をを先生に見せている生徒も有ったそうです。

生徒にそう言われた時、先生はもう返す言葉もなく
「済まん、済まん」と謝っておられたという事でした。

「その人たちも可哀相だけれど、シベリアに抑留された人はもっと可哀相だったね。
あの極寒の地で、奴隷のような扱いの下、無理やり働かされたのだから!!」
と関東軍に売られるような形で、シベリア抑留になった兵士達の話になりました。

主人が昔見たテレビのことです。
シベリアで亡くなった人の遺族が、シベリアへ墓参された時のことでした。
8月というのにシベリアでは、雪が舞っていたそうです。
8月と言えば、日本では夏休みの最中です。
その8月に雪が降るということに、ショックを受けられた親御さんたちが、
「寒かっただろう、さぞ寒かっただろう」と泣いておらる映像があったそうです。
涙もろくなったのか、私はその話を聞いている内に涙が抑えられなくなっていました。

「寒かっただろう、さぞ寒かっただろう}と愛する息子さんの事を偲ばれる親御さんのことを思うと、
これを書きながら又しても涙が出てきました。

Comments

シベリア出兵

日本人では、シベリア抑留は知っているがシベリア出兵は知らない人が殆んどです。
しかし、多分現地のシベリアでは全く逆の話に成っている筈です。
たぶん、日本軍のシベリア出兵は知っているが、日本兵のシベリア抑留の話は全く知らない。
シベリア出兵で日本は3000人以上が死にましたが、日本軍占領下のロシア人はいったい何人が死んだんでしょうか。?

島国の日本人には『亡命』するという選択肢を考える人は殆どいませんが、地続きの大陸国家の住民では、国境を越えて逃げる『亡命』は普通に有りうることです。
対ソ干渉戦争でバイカル湖付近に駐屯していた日本軍の一兵士だった私の父親は、軍隊内で毎日続くリンチに『このままでは命が危ない』『何とか脱走して亡命できないか』と真剣に思案していたそうです。
亡命とは縁の無い、普通の日本人でも、自分の置かれた場所が地続きだと、発想も違ってくる。
しかし、自分のいる場所の正確な情報が無い、敵軍の配置も日本軍の動向もわからない、白色パルチザンに捕まった場合の命の保証が無い。言葉も解らず地図一つ持たされていない一兵士には戦場からの逃亡(亡命)は難しいようです。

逝きし世の面影様

コメント有難うございます。
前の戦争では、知らされているだけでも、辛い話が数限りなくありますが、
その上殆どの人が知らないで居る悲惨な事もたくさん有るのでしょうね。

戦争の恐ろしさを、若い人に、もっともっと知ってほしいものですね。

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