http://analyzer.fc2.com/ --> Dendrodium 中東和平に邁進するプーチン露大統領へのお願い
FC2ブログ

中東和平に邁進するプーチン露大統領へのお願い 

田中宇さんが最新記事「プーチンが中東を平和にする 」に、
    (一部引用 紫字部分)
米国からロシアへの覇権移譲の動きがどんどん速くなっているので、これまで多極化を無視する傾向が強かった「軍産傀儡」のマスコミも、無視できなくなっている。ちょうどロシアのプーチン大統領が米傀儡諸国のはずのサウジやUAEを訪問して「中東全体を支配する王様のように」大歓迎されたこともある。「ロシアは米国に代わり、イスラエルを含む中東全体の調停役になった」とWSJが10月17日に書いている。同時期に英国のテレグラフやFTも似たような記事を出した。
と、ロシアがアメリカに代わり中東全体の調停役になっており、
軍産支配が再び終わりつつあると書いておられます。
記事は中東各国での現状の詳細と、ロシアのプーチン大統領の現実主義的対応に付いて書かれています。
その中に下記のような記述があったのが少し気に掛かったのですが・・・・・
     (引用)
米国の覇権は「理想主義(のふりをした軍国主義)」だったが、ロシアの覇権は「現実主義」だ。ロシアは、以前の米国のような余力がないので現実主義にならざるを得ない。米国(や英イスラエル)は理想主義の建て前に沿って、シリア、イラン、03年までのイラクで、クルド人の独立心をあおってきた。それらの動きは今回、完全に終わる。ロシアは、中東を不安定にするクルドの独立を望んでいない。むしろ逆に、クルド人が住むシリア、イラン、イラク、トルコの4カ国が、クルド人の同化策を成功させて自国を安定させることを望んでいる。人類全体の平和と安定を考えるなら、クルド人の独立を支援する市民運動は「うっかり軍産傀儡」であり、間違っている。

以前からクルド人の独立運動について、深い同情を以って詳しく書いておられた藤永茂さんのブログ私の闇の奥「ロジャバ革命よ、生き残れ(2)」に、
<PKKが米国国民とトランプ大統領に宛てた書簡>を翻訳掲載しておられます。

(続きを読む にPKKの米大統領への書簡と、それについての藤永さんのお考えを書かれた部分を複写して置きます。)

プーチン大統領は一方的にクルド人に我慢させるのではなく、
クルド人の居住地域を幾つもの国に分割することになったサイクス・ピコ協定下で創られた中東の地図の訂正までされねば、
中東の安定は覚束ないのではないでしょうか?

現実主義者と言われているプーチン大統領にお願いです、
如何か中東諸国の国境を直線で区切った地図のままに放置せず、
人間の生きている状況に合わせた現実的なものに、国境線を訂正して頂きたく存じます。

<PKKが米国国民とトランプ大統領に宛てた書簡>

 

クルディスタン労働者党(PKK)の国際関係委員会は、クルド人に対するトルコ國の虐殺作戦が進行中の今、PKKのクルド運動とISISとの比較論議に応答して、米国国民とトランプ大統領に宛てた書簡を公表した。書簡の内容は次の通り;

米国の人々とドナルド・トランプ大統領に。 

我々は、我々の運動とISISという非道残酷な殺し屋集団と比較論議を拒絶する。我々の応答は次の通りである:現在、4千万人以上のクルド人が中東に住んでいる。第一世界大戦が終った時に、中東外諸強国がそれらのクルド人を4つの独裁的国家、イラン、イラク、シリア、トルコに分割したが、それが我々の運動の始まりとなったのだ。

長年の間、クルド人たちはこれらの政府に、誰もがその日々を楽しんで生きる基本の民主的権利だけを、つまり、存在する権利、自分たちの言語を話し、固有の文化に生き、自由な平等の市民として政治に参加する権利だけを求めたのだった。

“PKK はトルコの国家暴力に抵抗するために結成された”

その度ごとに、彼らは容赦なく制圧されたのだ:先進的な兵器によって爆撃され、真夜中に家屋から追い出されて、行方不明になり、投獄され、拷問にさらされ、彼らの住んでいた村落は破壊し尽くされ、そして、彼らの言葉と文化さえもが禁止されてしまった。クルド人に対するトルコ国家の暴力に抵抗するために1978年に我々がPKKを結成するまでに、トルコはトルコのクルド人地域の何十万のクルド人を虐殺していた。時間的に大して遡る必要はない;1990年代にもトルコ國は4千のクルド人村落を破壊し、非合法的に17000人のクルド人を殺害した。

“我々の努力は無視された”

 トルコの指導者たちは、歴史上のあまりにも多くの独裁者たちと同じく、自由な生活を求める基本的な人間の希求を暴力と恐怖で粉砕できると思い込んだ。彼らの軍隊が国際法の全ての原理に違反する言語に絶する残虐行為を行なっている一方で、我々(PKK)にテロリストと犯罪者の烙印を押し、何十億ドルもの金を費やして、アメリカ合州國のような国々にも同様の立場をとらせるようにした。我々はジュネーブ条約に調印し、戦争は直ちに終結し、クルド人の権利は制度化されうると了解して、1993年以来いろいろの機会に和平交渉を求めた。これらの努力は無視された。

“PKKはこれまで一度もUSや他のいかなる国も攻撃目標にしたことはない”

 PKKはこれまで一度もUSや他のいかなる国も攻撃目標にしたことはない。我々はこのトルコとの紛争を平和裡に政治的に解決するための交渉の機会から身を引いたことはこれまで一度もなかった。実際、1993年以来、話し合いにの道を開くために、我々は8回も停戦を宣言してきた。PKKの政治的企画は基本的人権と自由、ジェンダー解放、宗教的共存、環境保護権利に基礎を置いている。

 ISISがシリアとイラクでテロ軍事行動を開始した時、我々は立ち上がらねばと覚悟した。このグループは、我々が長年にわたって擁護のために戦ってきた諸理想のみならず、何百万の人々の安寧をも脅かしたのだ。この地域と世界の軍事的経済的に強力な諸国は、数百万人がこの過激集団に征服されているのに、行動の費用を気にして、すぐに対応しなかった。

 2014年8月、我々はイラクのシンジャールで人道的軍事行動を遂行した;そこでは、ヤジディ人集団に対して、やがて国連がゼノサイドと認定することとなる、残虐行為をほしいままにしていた。ヤジディの人たちはローカルな軍事勢力ではどうにも止められなかった敵に直面して、世界から全く無防備に見捨てられていた。我々がそこに最初に派遣した軍事勢力はたったの7人からなっていた。これに始まって、我々は北東シリアに続く人道的回廊を開くことに成功して、シンジャール山中に閉じ込められた3万5千人の民間人たちを安全の地に導いた。続いて、我々は、他の軍事勢力と力を合わせて、ISISの支配からその地域を解放したのであった。

“トルコはISIS過激集団を阻止する事を何もしなかった”

 我々の運動とクルド人たちはこの戦いに数千の生命を捧げたが、我々を‘テロリスト’と呼ぶトルコ国家は、世界中で無辜の人々を恐怖に陥れているISIS過激集団を阻止する事を何もしなかった。今、トルコ国家は、国境のすぐ南の地域からISISが国際的な攻撃を企てていた時に行ったより激しい凶暴さで北東シリアの攻撃を始めた。トルコは、アル・カエダと関連しているテロリスト暴力団を送り込んで、ISISを打ち負かした人々を苦しめ殺害している。トルコは、単にクルド人だと自己同定する人々を、シンジャールやコバニだけでなく、パリ、マンチェスター、ニューヨークの無辜の人々を殺害の目標とする集団よりも大きな脅威だと見るのである。

 2017年5月、あなた達の首都ワシントンで、トルコのエルドアン大統領が、彼のボディガードたちに、平和的に抗議しているクルド人たちを如何に野蛮に襲わせたかを、あなた達は目撃した;クルディスタン現地で彼らがどんなことをするか、想像してほしい。 我々はテロの罪を犯してはいない;我々が国家によるテロの犠牲者なのだ。我々が我々自身を守っていることが罪とされているのだ。アメリカの人々が、この世界の危険なテロリストは誰なのかを自分自身で判断できるものと、我々は信じている。

<書簡終わり> 

 上記のワシントンでの騒ぎに関する報道としては、次のネット記事の中に2017年5月16日の両デモ・グループのもみ合いの写真が見つかっただけです。 

https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2017/12/dissidents-minorities-assassinations-abroad.html

 しかし、海外でのエルドアン政権の指示による実際の暗殺事件として有名なのは、2013年1月10日、パリでのPKK女性運動家3名の惨殺です(和文記事):

https://jp.wsj.com/articles/SB10001424127887323942504578234641766294614

今では、これはトルコ政権側のテロ的犯罪だったと広く信じられています。

 「テロリズム」とは一体何か? テロ行為を実行しているのはPKKか、それとも、トルコ政権の方なのか? これは慎重に判断すべき問題です。

 2019年10月23日、本日のマスコミには、シリア北東部のトルコ国境沿いの地帯からクルド人民防衛隊を排除する合意がトルコ、ロシア両政府の間で成立したことが報じられました。これは、重大な事態です。「これでロジャバ革命も一巻の終わり」という声もしきりに上がっています。

私は、そうは思いません。次回に説明します。

 

藤永茂(2019年10月23日)

Comments

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

Trackback URL
http://dendrodium.blog15.fc2.com/tb.php/3237-b77f2a20