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安倍総理の言う「戦後レジーム」からの脱却とは「ポツダム宣言」からの脱却なのでは? 

昨日の記事「日本はサンフランシスコ体制からの脱却を目指す時かも 」を書いていて気がついたのだけれど、
安倍総理が戦後レジームと言っているのは「ポツダム宣言」を受け入れた日本という事なのではないだろうか?

私はポツダム宣言にどのような事が書いてあるのか読んだ事がなかったのだけれど、
ポツダム宣言及びそれに先立つ大西洋憲章が打ち出したのは、一言にしていえば、脱権力政治である。のだそうである。
ポツダム宣言を翻訳したものを引用する。

ポツダム宣言条文 全訳
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/potsudam.htm#potudam

(1) われわれ、米合衆国大統領、中華民国主席及び英国本国政府首相は、われわれ数億の民を代表して協議し、この戦争終結の機会を日本に与えるものとすることで意見の一致を見た。


(2) 米国、英帝国及び中国の陸海空軍は、西方から陸軍及び航空編隊による数層倍の増強を受けて巨大となっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。(poised to strike the final blows)


(3) 世界の自由なる人民が立ち上がった力に対するドイツの無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人民に対しては、極めて明晰な実例として前もって示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力、すなわち全ドイツ人民の生活、産業、国土を灰燼に帰せしめるに必要だった力に較べてはかりしれぬほどに大きい。われわれの決意に支えられたわれわれの軍事力を全て用いれば、不可避的かつ完全に日本の軍事力を壊滅させ、そしてそれは不可避的に日本の国土の徹底的な荒廃を招来することになる。


(4) 日本帝国を破滅の淵に引きずりこむ非知性的な計略を持ちかつ身勝手な軍国主義的助言者に支配される状態を続けるか、あるいは日本が道理の道に従って歩むのか、その決断の時はもう来ている。


(5) これより以下はわれわれの条件である。条件からの逸脱はないものする。代替条件はないものする。遅延は一切認めないものとする。


(6) 日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、全ての時期における影響勢力及び権威・権力は排除されなければならない。従ってわれわれは、世界から無責任な軍国主義が駆逐されるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能であると主張するものである。


(7) そのような新秩序が確立せらるまで、また日本における好戦勢力が壊滅したと明確に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、当初の基本的目的の達成を担保するため、連合国軍がこれを占領するものとする。


(8) カイロ宣言の条項は履行さるべきものとし、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。


(9) 日本の軍隊は、完全な武装解除後、平和で生産的な生活を営む機会と共に帰還を許されるものする。


(10) われわれは、日本を人種として奴隷化するつもりもなければ国民として絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待したものを含めて、すべての戦争犯罪人に対しては断固たる正義を付与するものである。日本政府は、日本の人民の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって障害となるものはこれを排除するものとする。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重はこれを確立するものとする。


(11) 日本はその産業の維持を許されるものとする。そして経済を持続するものとし、もって戦争賠償の取り立てにあつべきものとする。この目的のため、その支配とは区別する原材料の入手はこれを許される。世界貿易取引関係への日本の事実上の参加はこれを許すものとする。


(12) 連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯びかつ責任ある政府が樹立されるに置いては、直ちに日本より撤退するものとする。


(13) われわれは日本政府に対し日本軍隊の無条件降伏の宣言を要求し、かつそのような行動が誠意を持ってなされる適切かつ十二分な保証を提出するように要求する。もししからざれば日本は即座にかつ徹底して撃滅される。


言う事を聞かなかったら「日本の国土を徹底的に荒廃させてやるぞ」と連合国に言われたのだから、
当時の日本人はさぞかし悔しがったことだろう。

それでも昭和天皇が「耐えがたきを耐え忍びがたきを忍び・・・・・」と仰って、
このポツダム宣言を受け入れる事を了承されたのは、
そうしなかったら日本は本当に滅亡させられる所まで来ていたからに他ならないだろう。

ポツダム宣言を受け入れるという事は、ポツダム宣言に書かれた条項の総てを守ると、
日本の元首昭和天皇が連合国に約束された事なのである。

その文言がどんなに気に入らないからと言って、
安倍総理が勝手に約束を反故に出来るものではない。
平和憲法はポツダム宣言の趣旨に従って創られたものであり、
戦後の日本はポツダム宣言を無視し始めたアメリカの要求を排除してまで、
ずっと平和憲法を守り続けていた。
これは昭和天皇が連合国と約束された約束を守るためでもあった。

そして安倍総理のように軍国主義の好きな者を除いて、
日本人の大部分の者が、この平和憲法を事のほか気に入っていたから、
戦後70年間平和が守らたれたのだと思う。

つまり日本国民の大部分が先の戦争を、ポツダム宣言(6)の言うように、
6) 日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、全ての時期における影響勢力及び権威・権力は排除されなければならない。従ってわれわれは、世界から無責任な軍国主義が駆逐されるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能であると主張するものである。 と思っているという事なのだと私は思う。

安倍総理はその祖父が日本の人民を欺きかつ誤らせた側の人間だったから、
この部分が特に気に入らないのではないだろうか?
だから、あの戦争は正義の戦争だったと言い募っているのだろう。
そして、日本が再び戦争をしない限り、未来永劫敗戦国のままであるという事が気に入らないのだろう。

米中連合に日本が自力で勝てる見込みはないのは、
アメリカの軍事力を見れば誰にでも分かる。
だから安倍総理はアメリカを取り込んで、日米で中国と戦ったら勝てるだろうという事で、
アメリカの機嫌を取り結ぶ為、アメリカがTPPから原発推進まで、日本の国益を徹底的に損なう要求をしようと如何しようと、アメリカの言いなりになって、アメリカに従っているのだろう。
アメリカが日本人兵士を行かせたがっている中東にでも、
自衛隊員をアメリカの求めるまま幾らでも出して差し上げますと、
大盤振る舞いの約束もしているのだろう。

ISILと戦う事にしたら人質を殺される事になると承知で、
湯川さん後藤さんがISILにつかまり身代金を要求されているのを知っていて,
安倍総理が敢えてISIL討伐有志連合に入るという意思表示をしたのも、
みんな日本はアメリカの一の子分であると言う為だったのだろう。

日本がここまで義理を立てていたら、
アメリカは粗末には出来ないだろうと言うのが、お坊ちゃま総理の甘いところなのだろうが、
「アメリカを味方につけて戦ったら、中国を負かす事が出来るはず」と安倍総理は、
日本を独立国にさえ出来ないままで、
かつての敵国アメリカの力だけを頼りに、中国と戦って今度こそ勝利国となり、
敗戦国だった日本のリベンジを図ろうとしている様である。

アメリカが安倍総理の思い通りになってくれる等と思うところが、
苦労知らずで育った安倍総理の甘いところなのだろうが、
アメリカがそんな甘い国であるはずがない。

安倍総理の願い空しく、この儘では日本は弱体化に弱体化を重ねられて、
放射性廃棄物の処理も出来ないまま、亡国の憂き目を見させられるのかもしれない。
何万という処理されないままの使用済み核燃料等の放射性廃棄物は、
野積みにされたまま、日本全土を汚染し続け、
日本は人の住む事の出来ない国となっているかもしれない。

戦後の日本がポツダム宣言受け入れで約束した事を、義理堅く守り続けて来たお陰で、
日本人の長所・創意工夫の技術力によって世界に貢献できる事もあり、
段々と世界で重用される国になっていたのに、
ここに来て安倍総理が総てをぶち壊そうとしている。

彼は「我こそ日本の名誉を挽回しようとしている愛国者である。」と信じているのだろうけれど、
そのやっている事は、日本を滅亡に導こうと躍起になっているとしか言えない事ばかりである。

あれだけ戦争オタクなのに安倍総理は
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と言う孫子の兵法さえご存じないのだろうか?
日本を本当に愛しているのなら安倍総理は即刻辞任して、
もっと日本及び世界情勢の見える政治家に、後を任せられるべきだと私は思う。

天皇陛下も、日本が再び中国と戦争をする事など望んではおられない。
戦争に勝ってうっぷんを晴らす等という詰まらないことの為に、
大勢の国民に再び地獄を見させる事など、
天皇陛下が望んでおられるわけがない。

ポツダム宣言(9)の言うように
日本の軍隊を完全に武装解除させ、平和で生産的な生活を営む事こそ、日本国民の真の願いであると、
天皇陛下は分かって下さっており、
平和立国を国民と共に寿ごうと思ってくださっているのである。

安倍総理の反省を求めます。

Comments

果たして

和久希世さまお久しぶりです。

安倍のやり口をあれこれ想像して壮大なドラマを打ち立てるのは無駄だと思います。

安倍は何も考えず、状況に流され、あるいは誰かに(資本家、戦争屋、アメリカ)操られているだけでは?

確かに、アメリカに操られている割にはアメリカの意にそわないことも企図している。

でもそれは頭が悪く、統一した思考ができないからではないかと私は思います。

同じく、戦争に反対しながら安倍政権を支持するような人たちも安倍と全く同じなのではないかと思います。

戦争に加担しているのは一部?それとも大部分?
  • [2015/02/15 23:54]
  • URL |
  • 大我楼2014
  • [ 編集 ]
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大我楼2014様

コメント有難うございます。
これが仰るほど壮大なドラマでしょうか?
戦争屋勢力の者だったら誰でも思いつく事だと思うのですが・・・・

「日本はもう一度シナと戦争をして今度こそ勝つのだ。
今度はアメリカが日本の味方になる筈だから、日本は今度こそシナをぎゃふんといわせる事が出来るはずだ。」と言って馬鹿ウヨを騙してその気にさせるだけなのですから。

馬鹿ウヨは敗戦国国民であると言う不面目から逃れられる上に、
愛国心を持った勇気ある人間であると自分自身の事を思う事が出来るので、
この話に易々と大喜びで乗って来るのでしょう。

安倍晋三氏もこの馬鹿ウヨの仲間として、
やすやすとこの話に乗せられたのだと思います。

その上安倍晋三氏には普通の馬鹿ウヨの見る夢だけでなく、、
祖父岸信介が戦犯であったという不名誉まで、すすぐ事が出来るかもしれないという思いがあった事でしょう。

今彼はこの日本を焦土と化しても、この夢を実現したいと願っているのでしょう。
しかし、根が気が小さく臆病な彼は、究極の所では逃げ出すのでしょうが・・・・・

お祖父さま

岸信介さんが生きていたら「勉強が足りん」と叱られていたでしょう。

岸さんは官僚の利点欠点、軍の独走、国力の限界、外交の勘所などをよく知ったベテラン。その上での安保改定。

歴史の結節点をよく知っていました。

ましま様

コメント有難うございます。
岸さんは大変な秀才だったそうですから、
孫が今やろうとしている事を知ったら、怒り心頭かもしれませんね。
それでは贔屓の引き倒しだ~とか何とか仰って・・・・・

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安倍政権を批判してはいけないという強制なんか、受け入れる筋合いはない。

どうも、あれ程悲惨な人質事件が起こって人が2人も亡くなっているのに、安倍政権を批判してはいけないという圧力が、大きく大きくかかっているようです。 国のトップは、一般人とは違うのですから言動が批判されて当然なのに、日本の総理大臣って何故か優遇されているんですね。 このまま総理大臣の失策を批判も出来ない状況が続くと、2050年には英の雑誌『エコノミスト』の予測が当たってしまうのかもしれません...
  • [2015/02/20 12:01]
  • URL |
  • 星にも老いと死があるからといって |
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