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世界が第3世界化している。 

世界には第1世界(欧米)と第2世界(社会主義諸国)と、第1世界と第2世界から略奪される第3世界があるが、
近年第1世界と第2世界の中の1%を除く99%の人民の、第3世界化が進んできた。
今第3世界の国民と、第1第2世界の中で第3世界化した人民の怒りが爆発して、
世界が混沌としてきている。
此れを鎮める為には如何するべきか、
方法を間違えると、1%の人々も99%の人々と共に奈落の底に落ちる事になるかもしれない。
今日本では1%の人々が、99%の人々の心配を無視して、目先の利益(原発利権・TPP・消費税増税)に邁進しているが、(日本の場合は1%と言うよりは、宗主国と言うべきかも知れないが・・・・・)
同じ地球に住んでいる以上、生物は皆運命共同体であるという事を、彼ら1%は忘れているようである。

ブナ林便りの吉田悟郎さんが書いておられるものの一部をここに引用させて頂く。ここ20年、世界にはかくも大事件が続いて起きて来た事を改めて思い出させられる。(こちら

世界中の人民から苛酷に絞り取り続けてきて、
世界中を第3世界化(被掠奪民化)に成功しようとしている1%の人々は、
現在、多分彼らも想像だにしなかったであろう苦悩の最中にある。

世界の1%の人々は自分達が繁栄する為にも、
99%の人々を地獄に落としはいけない。
地球上の生物総てと共存共栄を図らねば、彼等も奈落の底に突き落とされるだろうという事に、一刻も早く気づいてほしいものである。

日本のことで言えば、原発事故が再び起きたら日本の支配層も総て、日本人として亡国の憂き目を見ねばならなくなるという事である。
 では吉田さんの記事の引用を始める。

1991年7月2日、韓国ソウルのソウル大学湖巖教授会館で日韓歴史教育セミナーが『21世紀を志向する歴史教育』という主題で研究会議を行った。記録は、1992年11月に三省堂から西川正雄編『自国史を超えた歴史教育』として公刊されている。まず、ご存知でない方もいるだろうし、この会議の日本側の主催者である比較史・比較歴史教育研究会は2012年今年に入って任務完了として幕を閉じたので(以下中略)
  
<吉田悟郎は、基調講演で、現代世界の危機と混沌の本質を、
ともに西欧近代文明に起源をもつ第一世界(欧米勢力)と第二世界(ソ連などの社会主義勢力)の「第三世界化」ととらえる。
これまで第一世界と第二世界は、「冷戦」というかたちでたがいに対立しあいながら、時には協調しあって第三世界を支配してきた。
ところが、この過程で第一世界も第二世界も、自らのなかに抑圧され切り捨てられた諸社会、諸地域、諸民族を生み出した。これらは第一世界・第二世界の内部にできた第三世界であり、これらの人々の異議申し立てが第一世界・第二世界の第三世界化なのである。
この傾向は、一九世紀末以来の第一世界の世界支配─やがて第二世界が加わる─に抵抗しつづけてきた第三世界の本格的な異議申し立てと連動しあっており、ここに今日の危機の本質がある。
それは、西欧近代文明の支配の崩壊としての「破局」といってもよい。
それでは、この破局から次に何が出てくるのか。
吉田は、「全世界および世界史の第三世界化」であるとして、第三世界の視点からの世界史認識を提唱する。
そのためにはまず、西欧近代文明がつくりだした「国民国家」の枠組みを克服することが必要である。
吉田は、第三世界との対比で、西欧近代的国民国家の枠組みをつぎのように列挙する。

①異性・個別性などを排除し否定する、一元性・均質性・整合性。
②多元的多層的な関係性・多義性・相互浸透性・周辺性などを否定し、敵視し、体系性のみを目指す。
③無境界性に対立し、これを抹殺して境界性を固めようとする。

 こうした枠組みを確立することによって生まれた西欧近代強国は、全世界にわたって極めて抑圧的・階層的・序列化的構造をつくりあげた。これが西欧近代資本主義的世界秩序であり、一九世紀から二○世紀にかけて、これら強国に生まれた帝国意識・大国意識がこの枠組みを強化した。
脱亜入欧的近代化の道をたどり、欧米強国に追随して強国の列にのし上がった日本・日本人は、西欧近代国民国家の枠組みにとらわれ、今日の「破局」の意味がつかめないでいる。
今日の「破局」に主体的に立ち向かっていくためには、国民国家の枠組みの徹底的な相対化と、これを支えてきた西欧近代文明総体(その日本的ヴァリエーションも含めて)の内在的検討が必要である。
それはまた、西欧近代文明を構成している人間優越主義(自然と人間の分離)、
科学万能主義(西欧近代科学の独走・理性の絶対化)、
工業主義・生産力主義(資本主義および従来の社会主義)、
いわゆる市民社会とナショナリズムの徹底的再吟味にほかならない。

こうした作業を通して、吉田は、これらの観念が、
ヨーロッパ・ヨーロッパ人の自己確認のための思考枠、
アジア=東方世界を管理・指導するための世界観・歴史観にもとづいていること、
「自由」「民主主義」「法と正義」「国際秩序」「平和」「人権」などは人類普遍のものではなく、
特殊な西欧近代に由来する一つの価値群・理念群に過ぎないことを明らかにし、
第三世界的諸特徴、すなわち差異性・関係性・相互浸透性・無境界性などの観点から見直すべきことを主張する。
第三世界とは、「自分の国をもてない人々、自分の国だけに縛られない人々、あるいは自分の国にこだわる場合でも自分たちがこれからかちとろうとしている国が別にあると考えている人々、自分の在り様を政治的に選び、闘い取っている人々の世界」である。
それは時々刻々と新しい民族が形づくられるアイデンティティ複合」の世界である。
 吉田は、ハードで一元的な西欧近代的国民「国家」にソフトで複合的な第三世界的「民族」を対置し、
そこに世界史と自国史の統一的把握の場をおき、
そこから世界の人間の共存の未来を見いだす努力を試みようと述べたのである。>
1991年7月ソウル大学湖巌教授会館での日韓歴史教育セミナーの基調講演を準備した、その時は世界史でいえばどういう時であったのか。1989年ポーランドはじめ東欧諸国の一連の民主化革命のなかでベルリンの壁も崩壊した。

アジアでは同年6月4日、天安門事件がおきている。第二次大戦中ナチスドイツとの密約で非合法に合併したバルト三国もソ連軍の介入を排して1991年独立した(当時、在露日本大使館の分析官であった佐藤優の『自壊する帝國』(新潮社、2006年)が裏話をルポしており面白い)。1989年にはソ連軍は8年半戦争を続けたアフガン戦争の泥沼から撤退を完了しているが、1991年の夏、ソ連守旧派の党官僚による8月クーデターの失敗はソ連とソ連共産党の崩壊を決定的にした。
ロシア共和国、白ロシア、ウクライナ三国の国家共同体をつくり、ソ連に代わる枠組みで切り抜けようとし、ソ連の存在意義はなくなった。1991年12月25日、ゴルバチョフはソ連大統領を辞任しソ連は完全に解体消滅した。
 中東ではイラク軍のクウェート侵攻により米国ひきいる多国籍軍が編成され、湾岸戦争が始まり、多国籍軍の圧倒的勝利でクウェートは「解放」され、停戦となった。
戦費五分の一を負担した日本は、戦争終了後に自衛隊の海外派遣に踏み出す。
この間、後に注目される中東における大事なことが進行していた、
アフガンからソ連軍を追い出すためにCIA とパキスタン情報局がムジャヒディーン(イスラーム義勇兵を訓練し養成し武装化させ、ここにアルカーイダが生まれたことと、このアルカーイダの活動の中からビン・ラーディンが台頭した(ビン・ラーディンは1989年2月のソ連軍敗退撤退後、反米活動に転じた)ことである。
1991年7月という時は、世界史の一端をふりかえると、このようなピークであり、今日につながる要因が見てとれる。
この1991年、私は70歳、翌1992年成瀬治さんに代わって比較史・比較歴史教育研究会の代表をつとめる。
それから十年経過して2001年は9.11事件(並行ハイジャック・NYのWTCツインタワー崩壊とワシントンのペンタゴン破壊という連続テロ事件)をきっかけに、
米英などがアフガニスタンでイスラーム世界相手の出口なき「反テロ世界戦争」を開始。
日本は後方支援の名目でインド洋・イラク・クウェイトへの自衛隊派遣へと踏み込んでいく。
 そして、それから十年、2011年チュニジア・エジプトはじめ中東で新市民革命(板垣雄三の「世界を変える新市民革命の足音」“DAYS JAPAN”Vol.8 ,No.9、『世界』2011年9月号)が拡大。
そのさなか東日本大震災と福島第一原発事故(メルトダウン)とが発生。
米国は債務不履行に陥る危機と向き合い、世界を動かすドルの威力は失墜。
以後、米国の世界覇権はガタ落ちを続ける。(拙稿「極東の地殻変動と中東の地殻変動」「終りの終りは今始まったばかり」)
私はこの前年2010年12月に、“Form高校生新聞”に、1991年のソウルでの報告にも触れた「自由・平等・民主・人権について思う」を投稿している。
まず、日本の宗主国である米国は、反テロ戦争の継続の中で自由も民主も平等も人権もともに衰弱したが、米国市民もただ我慢してはいなかった。Occupy運動、1%の独裁と横暴に抵抗して99%の抗議と改革の声をあげつつある。
 西欧ではスペインのM12-M15全国的な怒れる市民の「真の民主主義」を求める決起(RAMON BOOKサイト、童子丸開さんのルポ)、
ギリシアにおける急進左翼連合の台頭,
ドイツでも“ブロキュパイ”のデモがフランクフルトのヨーロッパ中央銀行前で銀行の貪欲を批判し、
同じく政府の緊縮財政に苦痛を与えられているギリシアなど他のヨーロッパ諸国の市民との強い連帯を叫ぶ。西欧の“99%”は、欧州危機の本質は投機の問題もあるが、緊縮財政というよりもサブプライム・バブル崩壊以降の銀行の不良債権処理の失敗にあることを見抜いている。
世界の金融資本はバブルの崩壊→金融緩和政策→次のバブルの発生→バブルの崩壊という悪循環を繰り返してきた、そのたびに異常な好景気と異常な不景気をくりかえし、市民の生活を混乱させ多大の苦しみ・絶望を与えてきた。
生産性を向上させ実体経済を育てることこそ99%の市民には大事なのに。
銀行、投資企業、さまざまな金融機関は、零細あるいは中産の市民の住宅ローン、あるいは学生ローンなど、年金や先物を賭けた冒険的な預金などをかき集め、巻き上げて太ってきた。
それに対して金融取引税=ロビンフッド税の要求が、富や金を巻き上げられた中産・零細ともに没落しつつある“99%”から出てきたのも当然である。
あの米国でも全米看護師聯合(National Nurses United)が、ウォールストリートに対するロビンフッド税を要求し、シカゴでG8サミットにあわせてデモ行進を行なった。
米国のウォール街占拠運動は2011年9月以来久々の左派の大衆運動としても継続している。

 2011年9月30日のNY市民総会での公式声明にいわく、
「アメリカと世界の富が1%の人たちに握られていること、この富の偏在こそ、あるいは富の偏在がもたらす現代の社会関係こそ、問題である」とし、その変革を主張している。
同時に、企業と企業活動については、民主主義的政府の正統な権力は人民に由来するが、企業は誰に同意を求めることもなく人民や地球から富を簒奪しており民主主義のプロセスが経済権力によって決定されている間は、いかなる真の民主主義も実現不可能である、という現実を認識している。
人民よりも自分たちの利益を、
公正よりも利己的な関心を、
平等よりも抑圧を優先するさまざまな企業が私たちの政府を動かしているこのとき、あなたがたによびかけている。
「私たちは・・・ここに平和的に集まっており、それは私たちの権利である。世界の99%の人たちは、世界の企業勢力によって不当な扱いを受けている。つまり、何よりも利益を追求する世界の企業活動が、富を簒奪し政府を動かし、人民の権利を踏みにじっていること。そして、占拠運動はどのように運営され、支持され、広がったのか? 自主的自発的な人々の連合体として運営されている。そして、市民の支持を受け、増え続けている。その多様な参加者。カナダでも市民・学生・女性の決起が見られる、毎日のそういう模様はいくらか“DEMOCRACY NOW”サイトなどで窺い知られる。
そして中南米では、ボリビア・ベネズエラやチリその他で同様な変革への動きが始まっている。これは中南米の政治経済サイトでやはり報道されている。
こうして、2011年から2012年にかけて、アラブの春にはじまり、ヨーロッパ。カナダ。米国、中南米と改革と変革を求める99%の市民の決起がひろがっており、それらの共鳴、共振の相互関係は、かつて人類史には見られなかった新しい夜明けを予感させるものがある、
日本の、福島の女性たちが先頭を切った反原発・生命と権利を求める運動は、以上のような世界の春に合流し、その一翼をになうことが世界から期待されるようになりつつある。

 水俣の闘い、沖縄の闘いもこういう日本の市民たちの覚醒と決起を支える闘いである。
板垣雄三の“DaysJapan”2012年4月号の「十代の若者たちにあてた手紙」のよびかけ、ティーンエイジャーズへのアピールも、こういう世界史、人類史のあけぼののなかで起草されたものであろう。

1991年7月ソウル大湖巌教授会館での日韓歴史教育セミナー冒頭の私の基調報告(基調講演と指定されていたがおこがましいので)は、二十一年の経過を経てどれだけ有効であったのか。
提案の「第一・第二世界の第三世界化」という見通しと「21世紀の予想される第三世界の本格的異議申し立て」という予測と判断は、
2011年中東での地殻変動に始まる“アラブの春”からヨーロッパ・中南米・カナダ。アメリカにひろがる、いわば“99%”の市民の決起と異議申し立てとなり、
2012年5月、今も、継続・成長しつつあるではないか。
「西欧近代的国民国家の枠組みの特徴」:としてあげた諸特徴はまさに自分たちを縛る桎梏と自覚され、
それに対比して「第三世界的特徴」として挙げた「ソフトな人類の諸特徴」として挙げたことは当時イスラーム学者黒田寿郎さんやかねがね私淑していた中東学の先輩板垣雄三に学ぶこと大きかったが、
2011年から顕在化したアラブ・イスラームの市民革命の随所に示されているではなかろうか。
日本の脱原発の市民運動にもそれに近い諸特徴が見られるのではなかろうか。
さて、「ハードで一元的な西欧近代的国民国家にソフトで複合的な第三世界的市民を対置し」「世界史と自国史の統一的把握の場をつくる」「そこから自然・環境とも共生する世界の人類の共存共栄の未来を拓こう」という提唱はどうなっているであろうか。
狭く見れば、依然として明治以来の「特殊な国民国家」の呪縛は堅く根を下ろし、さらに狭く歴史研究・歴史教育の場を見れば、牢固たる「官許歴史・官許世界史+官許自国史」という堅固な壁はそう揺らいでもいないのではなかろうか。私のささやかな提唱は、所詮「蟷螂の斧」にすぎなかったのであろうか、わが国については。                 
2012年5月27日


(下線 色字 改行は当ブログ)

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