◇宮内庁検討

 生前退位の意向を宮内庁関係者に示している天皇陛下が自らのお気持ちを国民に表明される機会を8月上旬にも設ける方向で、同庁が調整していることが分かった。生前退位には皇室典範の改正などが必要となるが、憲法で天皇は「国政に関する権能を有しない」と規定しており、お気持ちの表明は「退位」など直接的な表現を避けたものになる見通しだ。【高島博之、山田奈緒】

 陛下が、生前に天皇の位を皇太子さまに譲る生前退位の意向を宮内庁関係者に示していることが明らかになったのは今月13日。宮内庁は公式には陛下の意向を明らかにしていないが、お気持ちを国民に伝える方法や時期について検討を進めている。お気持ちを示す方法については、テレビ中継が選択肢として浮上しており、実現すれば初めてとなる。

 表明されるお気持ちは、82歳になられた陛下が、天皇としての公務を今後十分に果たせなくなった場合にも天皇の地位にとどまり続けることが良いのかという思いを国民に伝えるものになるとみられる。お気持ちの表明が制度の変更を直接的に促す内容にならないよう、「退位」などの文言は避けるものとみられる。

 お気持ちを表明する日程は、内閣改造などの政治日程や広島、長崎の原爆の日を避け、8月8日とする案が出ている。

 皇室典範4条は、天皇の代替わりについて「天皇が崩じたときは、皇嗣(こうし)が、直ちに即位する」と規定している。生前退位については規定がなく、実現には皇室典範を改正するか、特別法による対応が必要となる。風岡典之・宮内庁長官は29日朝、陛下のお気持ちの表明について「日程は決まっていない」と話した。

 ◇コメント控える…菅官房長官

 菅義偉官房長官は29日午前の記者会見で、「生前退位」の意向を関係者に示している天皇陛下が来月にもお気持ちを表明する意向との一部報道について「報道は承知しているが、政府としてコメントは差し控えたい」と述べた。【高本耕太】